
ハンドパンとは
UFOのような独特のフォルムと神秘的な音色で、近年愛好家を増やしている”ハンドパン”とは、いったいどんな楽器なのでしょうか。
歴史
ハンドパンは、スイスのパンアート(PANArt)社によって2000年に開発された「ハング(Hang)」が起源になって生まれた比較的新しい楽器です。幻想的な空間を構築するような美しい音色や響きをもつため、近年、リラクゼーションや瞑想の場にも用いられるようになりました。
形状
ハンドパンは、主にスチールやステンレス鋼が素材となり、ドーム状に加工された二つの鉄版を溶接することで作られています。上部には、音階を奏でるためのトーンフィールドが配置されており、各トーンフィールドは特定の音階に調律されています。そのため、どんな音楽を作りたいかによって、適した音階を選ぶことが大切です。
各部位名称
上部(Ding Side)
- トーンフィールド
- 音を鳴らす青い〇で囲った部分
- Ding (ディング)
- 真ん中の盛り上がった部分 (最も低い音が鳴る)
- Dimple (ディンプル)
- トーンフィールドの中のくぼみ部分
底部 (Gu Side)
- サウンドホール (Gu)
- 裏面の空洞部分
選び方
スケール(音階)とノート数

トーンフィールドは、ハンドパンごとに特定の音階(スケール)に調律されています。
やりたい音楽や雰囲気に合わせて、好みの音階のハンドパンを選ぶことが重要です。
スケールの特徴
Minor
マイナースケールのハンドパンは、メランコリックで重厚な音色も、遊び心のある音色も可能にするニュートラルな音階です。
→ Celtic Minor, Kurd, Amara, Pygmy…
Major
メジャースケールのハンドパンは、高揚感があり、陽気な雰囲気が特徴です。晴れやかでフレッシュな音楽表現を得意とします。
→ Sabye, Hijaz…
例)
D Kurd
トーン:D3/ A3, Bb3, C4, D4, E4, F4, G4, A4
D Amara
トーン:D3、A3、C4、D4、E4、F4、G4、A4、C5
F Low Pygmy9
トーン:F3/ G3, G#3, C4, D#4, F4, G4, G#4, C5
D Sabye9
トーン:D3/ G3,A3,B3,C#4,D4,E4,F#4,A4
ノート数
ハンドパンの音数は基本的に、中心の音(Ding)+周りの音(トーンフィールド)で表記されます。
例)「9ノート」・・・Ding1音+トーンフィールド8音
9~10ノート(王道/初心者におすすめ)
- 音の配置がシンプルで覚えやすいため、直感的に演奏できる
- どこを叩いても不協和音になりにくい
サウンドはこちらから
11~15ノート(ボトムノートあり)
- 表面だけでなく、Gu(裏面)側にもノート(ボトムノート)あり
- 高音域/低音域のバリエーションが増え、表現の幅がUP!
15~20ノート以上
- 表面や裏面にぎっしりとノートが詰め込まれたモデル
- 多数のジャンルや転調に対応可能!
素材&仕上げ
番外編 ハンドパンの「440Hz / 432Hz」って何?
結論:基準ピッチ(チューニング基準)の違い!
A4(ラ)=440Hz
・・・世界標準!(一般的なギターやピアノなど)
→他の楽器と合わせるなら440Hz推奨!
A4(ラ)=432Hz
・・・落ち着きや癒しを感じる人が多く、ヨガや瞑想に人気!
→ソロ演奏やヒーリング用途におすすめ
<440Hz&432Hzを聴き比べ>
セッティング&演奏方法
基本のセッティング
- 膝置き(座奏):床にあぐらをかいたり、椅子に座ったりして、両太ももでVの字をつくり、その上に乗せる形が一般的。
- スタンド置き(座奏/立奏):専用のスタンドに乗せて演奏。(サイズによってはスネアスタンドでの代用も可)他の楽器とのセッションやライブパフォーマンスに向いています。
一般的に、大きなトーンフィールド(低音)が自分のお腹側、小さなトーンフィールド(高音)が膝側・外側にくるようセッティングします。しかしながらプレイスタイルや曲によってずらしたりする自由なセッティングが可能です。
おすすめのハンドパン用スタンド
叩き方の基本
- ハンドパンは「叩く」というより、「弾く(はじく)」イメージを意識。
指が長く触れていると、音がミュートされて響きづらくなります。 - 人差し指や中指の第一関節の指の腹や、親指側面の関節部分を使うのが主流。
- 脱力し、手首のスナップを聞かせて弾きます。


演奏者の目指す音楽によって奏法はさまざまであることが特徴の一つです。特別な知識は必要ないため、初心者でも簡単に始められます。
3つのサウンド
- Ding (ディング):中央にあるドーム状の出っ張り。楽曲の基音となる深く響く低音を出します。
- トーンフィールド:Dingの周りに配置された楕円形のくぼみ。メロディや和音を奏でます。
- ゴーストノート (スラップ/パーカッシブ):トーンフィールド以外の平らなスペースを指先や手のひらで軽く叩くことで、打楽器的なリズムを生み出します。
中心のDing(ディング)は真ん中を、周りはトーンフィールドとDimple(ディンプル)と呼ばれるくぼみの境目をタップすることで綺麗な音を鳴らせます。
ハンドパンのお手入れ方法
メンテナンスに必要なアイテム
- 布(マイクロファイバークロスなど柔らかい布)
- オイル
- アルコール(スプレータイプや除菌シートなど)
お手入れ方法
★演奏後
・乾いた布や、マイクロファイバークロスを使用し、楽器に付着した手指の皮脂や汗を、やさしくきれいに拭き取る
※頑固な皮脂は少量のアルコールを使用して落とす
★定期メンテナンス
(演奏頻度にもよりますが、目安は月に1回~数回)
- 布に、ハンドパン用オイルを数滴つける
- 全体に薄く、均一に伸ばす
- 数分置いた後、余分な油を拭き取る
★保管方法
- トーンフィールドのある方を上にして、平らに保管
(チューニングに影響する、繊細なトーンフィールドに圧力をかけない) - 直射日光が当たらず、湿気の少ない涼しい場所
※ケースに入れたままにすると、内部に湿気がこもり、錆びの原因となる場合があります。長期間保管する際は、定期的にケースから出して乾燥・換気を行ってください。
★運搬時
- 専用ケース、ハンドパン用バッグを使う
※楽器が落ちたり、大きな衝撃を受けると、変形やチューニングに問題が起こる可能性があります
定期的に演奏することで、ハンドパンも健康な状態に保てます♪
ぜひ、自分に合った音色や演奏スタイルを見つけながら、ハンドパンの魅力を末永くお楽しみください!











