
ドラム・スティックの選び方
ドラム演奏に欠かせないドラムスティック。一見するとどれも同じように見えますが、素材・サイズ・チップ形状・テーパーの違いによって、叩き心地やサウンドは大きく変化します。
「初心者はどれを選べばいい?」
「ロック向けの太いスティックって?」
「シンバルの音をきれいに出したい」
そんな疑問を持つ方に向けて、ドラムスティック選びのポイントをわかりやすく解説します。
各部の名称
ドラムは主にチップ、ショルダー部分を使用して演奏を行います。ヒットさせる位置や角度によって音色が変わるのも演奏の楽しさの1つです。

チップ
スティックの先端部分。ドラムヘッドやシンバルに直接当たる部分で、サウンドキャラクターに最も影響する箇所です。
チップ形状によって、
- 音粒の揃いやすさ
- シンバルサウンドの明るさ
- アタック感
- 音量
などが変化します。詳しくは後半でご紹介します!
グリップ
手で握る部分。滑り止め加工やラッカー塗装の有無でフィーリングが変化します。手汗でスティックが飛んでいかないよう、グリップテープを巻くプレイヤーも多くいます。
ショルダー / テーパー
- 重心が前寄り
- パワーが出やすい
- 音量が大きい
→ ロック向き
ロングテーパー
- しなりが出やすい
- コントロールしやすい
- 細かな表現向き
→ ジャズやフュージョン向き
演奏ジャンルによって好みが分かれるポイントです。
サイズ
スティックのサイズは厳格に定義されているわけではありませんが、ある程度基準となる規格があります。一般的に「数字+アルファベット」で表記されます。

※今回ご案内するサイズ表記は主にVIC FIRTHなど主要メーカーにて採用されている表記ですが、
一部メーカーでは独自のサイズ表記を行っている場合もあります。
※ドラム・スティックには個体差がありますので、同じモデルでも若干長さや太さが異なる場合があります。
5A:最もスタンダードなサイズ。迷ったらまず5A!
- 初心者向け
- オールジャンル対応
- バランス重視
5B:5Aより太く重め。ラウド系やメタルでも人気。
- 音量を出しやすい
- ロック向き
- 手の大きい方にもおすすめ
7A:細く軽量。繊細な演奏向き。
- 小さい音量でもコントロールしやすい
- ジャズ向き
- 手が小さい方にもおすすめ
2B:かなり太く重量感のあるモデル。
- 大音量向き
- 耐久性重視
- ハードロックや練習用にも人気
長さによる違い
同じ5Aでも長さはメーカーによって異なります。
長いスティック
- リーチが広い
- パワーを出しやすい
- 遠いシンバルにも届きやすい
短いスティック
- コントロールしやすい
- 細かな演奏向き
- 疲れにくい
お好みの太さ、長さのスティックを探してみてください!
素材の種類
素材には、主にヒッコリー、オーク、メイプル、カーボンファイバーがあり、それぞれに異なる特性を持っています。
ヒッコリー
最もポピュラーな素材で、現在流通ドラムスティックの大半をヒッコリーが占めています。適度な硬さ、重量でバランスが良く、コントロールしやすい素材です。
オーク
ウッド素材のドラムスティックの中で最も硬く、質量があるのが魅力です。そのため耐久性が高く、パワフルなサウンドが欲しい方におすすめ。アタック感が強いため、ハードな音楽に適した素材です。
メイプル
軽量で手にしっとりとなじむ質感が特徴的な素材。ライドシンバルを叩いたときのサウンドに独特の響きを持ち、ジャズやアコースティック系のドラマーに人気があります。
カーボンファイバー
ウッドスティックの数倍もの耐久性を誇る人工素材。素材の性質上個体差も少なく、湿度や温度等環境要因での音の変化も起こりづらい点が魅力です。
チップ
チップには主にウッドチップとナイロンチップの2種類があります。形状も複数種類あり、チップ形状によって音色も変わってきますので、ぜひさまざまなチップを試してみてください。

ウッド・チップ
最も一般的なタイプ。温かみのある自然なサウンドが特徴。幅広いジャンルに対応します。

ナイロン・チップ
チップ部分のみナイロンでできているもの。アタック感が強く、シンバルの音が明瞭になります。耐久性の高さも魅力。
チップ形状
丸型 (ボールチップ/ラウンドチップ)

最もシンプルで均一性の高い形状。接地面が一定なため音粒が揃いやすく、リバウンドも安定。明るくクリアなサウンドが特徴。
向いているジャンル
ポップス/吹奏楽/基礎練習
サウンド傾向
「コツッ」「チンッ」とした輪郭のある音。どの角度で叩いても音が安定しやすいため、初心者にも扱いやすいチップです。
オーバル型 (オーバルチップ)

卵型に近いオールラウンド形状。太さと粒立ちのバランスが良く、ジャンルを選ばず表現が可能。
向いているジャンル
ポップス/ファンク/オールジャンル
サウンド傾向
丸型より少し太く、自然な鳴り。「万能型」として採用されることが多いチップです。
ティアドロップ型 (ティアドロップチップ)

涙型の定番形状。当て方で音色変化をつけやすく、繊細なニュアンス表現が可能。シンバルワーク向き。
向いているジャンル
ジャズ/フュージョン/アコースティック
サウンド傾向
角度によって、シャープ、太い、柔らかいなど幅広い音色変化が可能。演奏表現を重視するドラマーに人気です。
エイコーン型 (エイコーンチップ)

どんぐり型とも呼ばれる、先端に丸みを持たせた形状。近年かなり人気の高いタイプです。接地面積をコントロールしやすく、音量と繊細さの両立が可能。シンバルの倍音を豊かに響かせます。
向いているジャンル
ロック/ポップス/フュージョン
サウンド傾向
ライドシンバルで「芯」が出しやすく、クラッシュでは広がりも得やすい万能タイプ。ティアドロップより少しパワー寄り、オーバルより表現力が高いイメージです。
バレル型 / 樽型 (バレルチップ)

側面が平らに近いパワー型形状。接地面積が広いため大音量を出しやすい。音圧感が強く、太く力強いサウンドが魅力です。
向いているジャンル
ロック/メタル/ハードコア
サウンド傾向
「バシャーン!」と広がる迫力あるシンバルサウンド。音抜けが良く、大編成バンドでも埋もれにくいです。
円錐型/トライアングル型 (トライアングルチップ)

先端が鋭く尖った形状。接地面が小さく、非常に繊細。倍音が豊かで、音色の変化が大きいタイプ。
向いているジャンル
ジャズ/クラシック
サウンド傾向
ピング音が鋭く、非常に繊細。ただし角度による音色差が大きいため、コントロール難易度は高めです。
チップレス

チップがない特殊形状。アタック感が非常に強く、パワフルなサウンドが魅力だが、扱いには慣れが必要。
向いているジャンル
ラウドロック/ヘヴィメタル/パーカッシブな演奏
種類が多くて迷ってしまうという方もいると思います。迷ったら以下の仕様がおすすめです。
「5A/ヒッコリー/ウッドチップ/オーバル型 or 丸型」 → 扱いやすく、幅広いジャンルに対応できます!
初心者向けおすすめドラムスティックについては、「初心者必見!おすすめドラムスティック10選!」というブログで紹介しています。併せてチェックしてみてください!






